2015年8月30日日曜日

花と嵐とギャング 昭和36年

石井輝男監督による、高倉健主演の白黒ギャング映画。

石井監督の東映移籍第一作だそうだ。
刑務所を出た高倉は以前の組の者たちと銀行強盗を計画する。強盗自体は成功したものの、義理の弟が盗んだカネを持ち逃げしてしまう。

当然組はその弟とカネを取り返そうとする。高倉の妻は自分の弟を殺されないよう、ボスに掛け合ってくれと頼む。高倉の、今は出世している同僚が、銀行強盗中に仕組んで仲間うちを殺そうとしていた。その弱みがあるため、ボスへの高倉の義理の弟の命乞いに同行する。

いずれにせよカネを取り返すことが第一の使命となった。義理の弟は恋人と一緒に、実兄の大物のギャングである鶴田浩二を頼り逃げようとしていた。母親である清川虹子も最愛の末子を何とか救おうとする。

最後は弟と恋人が逃げていた田舎の牧場を、高倉と組の者が見つけ出す。それだけでなく組の他の者たち、鶴田もその牧場へ駆けつけ激しい銃撃戦になる。

見ていて気になったのは、奪ったのが五千万という当時としては天文学的なカネであるにも関わらず、取り返そうとするギャング団にあまり熱意が見られない。問答無用で殺すべきなのに、奪い返そうとするにもあまりに間抜けでドジを踏む。ボスもそれほど熱心に見えない。
弟も奪ってから五千万なんてどうでもいいと投げやりなことを言い出す。
最後の銃撃戦は派手で見せ場なのかもしれないが、子供向きの探偵テレビなみに見えてくる。
このような映画について欠点を並べてもしょうがないのであろう。

ここでは禁欲的なイメージが強い高倉健が、妻の尻に敷かれあまり頭のよくないギャングを演じていて、こういう役もやっていたということに価値があるのであろう。

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