2022年12月29日木曜日

『帝国地図 大正9年』

大正9年版の日本帝国の地図の復刻版である。当時の日本は植民地があったので、その地図を含む。

まず実物を見ると第一印象は本が小さい。地図帳は普通の本より大きいと思っていたので、この本を見ると小さく感じる。16×23cmと普通の本と変わらない。表紙は厚い、すなわちハードカバーである。また薄いと感ずる。Amazonによれば59ページである。しかも開いてすぐ目に付くのは白紙のページが多い。これもAmazonにある出版社からの情報では当時はカラー印刷は片面にしかできなかった。地図はみんなカラーなのでその裏のページは必ず白紙である。見開きで白紙のページがそれなりにある。

入っている地図は次のようになっている。

帝国位置図(東アジア及び東南アジアの地図で日本の領土を示す)、帝国区画図(道府県別等)、関東地方、東京市附横浜(見開き2ページ)、奥羽地方、本州中部地方(見開き2ページ)、濃尾平野地方、近畿地方、近畿地方主要部図(見開き2ページ)、中国及四国、瀬戸内海、九州(見開き2ページ)、台湾、北海道、南樺太、朝鮮、帝国委任統治地(南太平洋のグアムを中心に諸島)、山地・半島・岬埼・海湾・島嶼(日本の山脈や半島等名、見開き2ページ)、河湖海峡、海流、雨量、師管区・海軍区(陸軍海軍の担当地域区分)、帝国交通(基本的に鉄道路線、見開き2ページ)

普通、地図なら最後に地名索引や統計など文字数字情報が載っているが、これには一切ない。地図だけ。粗い地図だから地名など大きなところが載っているだけである。

各地図の周囲に付図があるが、この選択が面白い。九州地方なら付図は、筑豊炭田、温泉岳、阿蘇山、霧島山、耶馬渓、別府地方である。近畿地方の付図は、宮津付近、明石海峡、紀淡海峡、瀞八丁地方、志摩半島と名所が多い。中国及四国を見ると、付図が島根半島、速明海峡、下関海峡、芸予海峡、備讃海峡、鳴門海峡である。近畿と併せ、海洋国家日本の意識が高かったのか。

植民地の地図では南樺太が興味深い。朝鮮半島や台湾は今でも地図を見る機会がそれなりにあろう。しかし樺太は世界地図で重要性もあまりないから大した扱いでない。しかしここには九州や北海道と同じ1ページ使って載っているのである。そこにある日本語の地名を見ていると感慨深い。付図に日本仮領サガレン州とあって北樺太と大陸のある程度の部分に色が塗ってある。これは何かと思って調べたら、この大正9年に起きた尼港事件を受けて日本軍が保障占領した地域のようである。

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