著者は大学教員であり、建築家である。新書で建築を扱ったものは幾つかある。特徴的な建築物や日本建築等についての歴史を説明するものが目につく。
本書は一般読者が建築について一通りのことが分かる本を目指したという。三つの接近法をとる。「使用者・鑑賞者」の視点、建築家の視点、建築が存在する社会の視点である。これらの観点から建築というものを論じる。建築が哲学や思想でどう見なされてきたか、扱われてきたかの記述もある。更に建築家が建築を設計、造る際の実際について書かれており、ためになる。建築に関心のある者なら一読に値する書である。
0 件のコメント:
コメントを投稿