2014年5月17日土曜日

むすめ お光の縁談


松竹の映画「むすめ」と「お光の縁談」をみた。前者が昭和18年、大庭秀雄監督、後者は昭和21年、池田忠雄と中村登監督である。

ある意味似ている映画である。両者とも好き合っている恋人同士がいる。しかしそれを口に出さない。そうしているうちに娘に縁談が持ち上がる。親が子供の結婚に口を出す、というより勝手に決めていたことさえあった時代である。親も悪気はない。娘も好きな人と結婚したいのだが、親を考えるとそういう行為自体が何か「自分勝手」と思われてしまう、親不孝をしている気持ちになってしまう。

以上のあらましは共通である。娘役は高峰三枝子と水戸光子であるが、父親が河村黎吉と坂本武という配役は同じである。展開でちょっと意外だったのは戦時中の映画の「むすめ」で父親の河村、気が良い男という設定だからそうなのだろうが物わかりがいいことである。昔の父親というのは自分勝手の権化のようなイメージが強いから。全部が全部そうでなかったのも当然であるが。
「むすめ」の冒頭で高峰が出てそのあと河村が登場する。なんか随分若い奥さんをもらった中年男かと思ったが父娘なのである。高峰は若い頃からよく言えば落ち着いているというか、娘というより奥さん的な雰囲気が強い。

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