2014年5月10日土曜日

白い魔魚

昭和31年の松竹の総天然色映画、主演は有馬稲子、石浜朗。それに上原謙と高峰三枝子が共演している。主演の二人は若い。


大学生の有馬は岐阜の田舎から家が倒産しかけているので帰郷を促される。債権者である中年男の上原は有馬に好意を持ち、助けることを申し出る。それには感謝するが結婚を申し込まれると家のために自分が犠牲になるのはいやだし大学生の石浜を慕っている。思いのほか上原が良さそうな人物と思われ余計悩む。

色つきで見られる背景の昭和中期の日本が懐かしい。家のため娘が犠牲になるのがしょうがないような発想がいまだ生きている時代である。かつての「古き良き」時代を舞台にした映画が作られることままある。ただし現代では一蹴されるような悩みが現代映画で扱われることはありえない。実際そういう結婚をせざるを得なかった人がいたのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿