2016年12月13日火曜日

足にさわった女 昭和27年



 
市川崑監督による東宝映画、白黒。
最初の映画は大正15年阿部豊監督による日活の無声映画。残念ながら現在では観ることができない。この後昭和35年に増村保造監督、京マチ子主演の大映映画がある。
大阪の刑事池辺良は上司から休暇を取るよう命令され東京に向かう。同じ列車には有名な女スリ越路吹雪が乗っていた。また売れっ子作家山村聰も同乗。彼と食堂車で会った池辺は美人の女犯罪者はいないと言う山村に抗議する。彼には越路が頭にある。越路も山村に会い、山村は彼女を気に入る。

彼女は電車が暗くなった際、隣席の男から財布を取る。池辺は越路に気づく。彼女の更生を願っており休暇中には会いたくないと思っていた。電車が故障で止まった際、彼女は老婆を助けて荷物を運ぶ。実はその際その老婆もスリで越路から大金を掏る。池辺も同様な目に会うが越路の仕業と思い込む。

越路は故郷の伊豆下田へ父の法要のため向かっていた。彼女の父が戦時中親戚一同から見放され亡くなった。その亡父の法要を盛大に行ない、親戚を見返すのが彼女の長年の夢であった。しかしそのため貯めたカネは盗まれる。再び会った山村に事情を話しカネをもらう。下田への船上、若い岡田茉莉子が山村の姪役で登場。
下田での法要は耄碌した親戚のみが集まり、越路も拍子抜けする。
この後、東京の警視庁の場面を経て大阪へ池辺と越路は帰る。
 
元々の無声映画を観られないのは残念。しかしこの市川監督作も彼らしい軽妙な展開と登場人物の魅力で楽しい映画となっている。

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