著者には正しくは、漫画を担当している寺田にゃんこふを加えるべき。
倫理学を大学院で学び現在は大学教授をしている著者は『感じない男』を読んで興味を持ち、この本を選んでみた。
題名通り漫画で哲学の諸問題を考える試みである。基本的に普通の漫画のように登場人物が喋り、それが噴き出しで書かれる形式。ただ台詞は横書きで左から右に読んでいく。
論じられている内容は時間論、存在論、「私」とは、生命論でありまっとうな哲学の話題である。なお本論の後に読書案内がこれは文章で書かれている。結構な量の書物がただ題名を並べるだけでなく、わかりやすい解説とともに紹介されている。
著者がいうところによれば、哲学の問題は文より漫画で描いた方が直感的にわかりやすい場合がある。なるほどそういうものであろう。
趣味的な話を言えば、左から読んでいき台詞横書きというのは抵抗を感じた。あとがきに著者は論争があると書いており、ここでは左読み方式を採用したと書いてある。
自分は慣れからまず感じた訳だが、何か従来にない試みはそれだけで評価されるのであろうか。流行と同じで今までとは異なるものがいいのか。著者は流行に敏感なのだろうか、と余計な事思ってしまった。
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