有名なカフカの短編小説。1912年に書かれ、発表は1915年であった。
久しぶりの再読。短篇だから以前と大きく変わった印象はない。
朝起きて見ると巨大な(毒)虫に変身していた自分を発見する。変わり果てた自分、身体を動かすこともままならない。それなのに仕事に行けないことを苦にしている。
家族ももちろん驚く。妹と親もどう接していいか困る。妹が一番献身的に尽くす。
巨大な虫に変身してしまった。しかし目が突然見えなくなったとか、手足が動かなくなったかのような反応。いや毒虫に変わって見せてはならない、部屋から出していけない。この設定はまるで悪性の病気で、醜く顔が崩れて外に見せられない、という状況に似ているか。医者に見せても治療のしようのない病気で。
家族も世話がほとほと嫌になってくる。妹もあからさまに兄を非難するようになる。
最後に虫は亡くなる。妹、両親そろって気分が良くなりピクニックに出かける。健康な娘を見て親は楽しみ、希望が持てる。
この最後は良く覚えていた。ともかく印象亭な作品であることは確かである。
原田義人訳、青空文庫
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