市川崑監督、久慈あさみ主演の白黒、新東宝映画。
久慈は浅草の踊り子だが、劇場の閉鎖で失業してしまう。友人と食堂へ行って文無しにも拘わらず、好き放題に注文する。食後、久慈は銀行家の森雅之に電話して来てもらう。彼は会議を放り出し、久慈の元へ来る。彼は結婚する気はないが久慈を恋人にしたい気でいる。久慈は内心で彼との結婚を望んでいる。森は自信家で自分は何でも望むことを実現して来たと言う。無名な者がいたとしても一流の有名な芸術家にして見せると豪語する。
久慈はそれを聞き、日比谷公園で若い画家を見つける。この青年に好意を見せ、森の気を引く作戦に出る。個展を開いてみせると画家に告げるが信用されない。森を通じてその無名画家の個展を銀座で開く。画家は驚き久慈に感謝する。しかしながら誰も客は来ない。
たまたま店の主人や高名な評論家(志村喬)の意見を耳にし絶望する。これを知った久慈はまた森を動かし、評論家を買収し、天才現わると新聞で喧伝する。
すっかり有名画家になった青年は天狗になる。しかし最後は真相を知る。それまで凡てを投げ打ち一からやり直すつもりになる。久慈も純粋な青年に惹かれ一緒になる気になる。
その間彼の描いた絵のうち本当に傑作と言えるものが発見される。
初期の市川崑らしく映画の最初のタイトル部分でも登場人物にアイラブユーを言わせるなど新鮮な工夫をしている。
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