2026年7月7日火曜日

肉体の反抗 昭和32年

野口博志監督、日活、89分、白黒映画。神戸の銀行に勤める女主人公は、同僚の大坂志郎と結婚する予定だったが、母親が病気で妹が学校に通っている事情でまだ出来ないでいる。警察から妹が宝石を盗み捕まったと聞き驚く。このせいで大坂の親から結婚を断られ、母親は死ぬ。妹を保釈に行くが、妹は姉に反抗的で、家出をしてしまう。その後横浜の海で死体として見つかったと知らせが入り、主人公は横浜に急行する。警察は自殺扱いにしたが、殺しではないかと疑っていた。

主人公は妹の復讐を誓う。妹は合いの子の外人(岡田真澄)に騙されて死んだようだ。主人公は岡田に近づく。岡田はある女と結託し、女を娼婦として集めて金儲けしていた。主人公はその娼婦館を営む女に近づき自分もその一員となり、岡田と深い仲になる。女主の息子の大学生は母親の職業を知らない。主人公はその大学生を誑し込み、岡田を復讐しようとする。これは成功したが、大学生はそのせいで殺人犯になり、主人公は大学生の誠意に報いるため出所まで待つという。大坂志郎が神戸から出てきて、主人公に復縁を迫るが、好きであるものの、もう一緒になれないと主人公は断る。

2026年7月6日月曜日

俺はトップ屋だ 第二の顔 昭和36年

井田深監督、日活、52分、白黒映画、二谷英明主演。暴走するスポーツカーは崖から落ちる。乗っていて死んだのは流行歌手の若い男。この事件を調べることになったトップ屋、二谷は歌手が出ていたクラブに行く。死んだ歌手に代わって別の歌手が歌っていた。そこのマダムは情報収集に協力的でない。

暴漢に襲われたそこの踊り子を二谷は救ってやる。クラブにいた実業家が黒幕で、踊り子を使い、多くの者を消していた。二谷の旧友まで、実は裏切り者で二谷の名を騙り悪事を働いていた。現金を手に入れそうになる直前に警察が踏み込み、実業家は逮捕されるが、踊り子と旧友は車で逃げていた。車が崖から落ちそうになり、踊り子は助かるが旧友は落ちていった。

2026年7月3日金曜日

俺はトップ屋だ 顔のない美女 昭和36年

井田深監督、日活、52分、白黒映画、二谷英明主演。夜、都会で男が銃で殺され、持っていた仏像を奪われる場面から始まる。トップ屋(独立して週刊誌等に記事を売り込む文筆記者)の二谷はある女から外国硬貨のような物を渡される。これを欲しがるバーの他の女がいる。中に男の写真があった。警察に見せると有名な密輸業者とのこと。それを渡した女を捜す。スチュワーデスらしい。

謎の男(ジェリー藤尾)が二谷の周りをうろつき、その男にあるクラブに連れていかれる。会員制でそこに入るためにはあの硬貨状が必要らしい。その硬貨を持ってきてクラブに入り、その持主のロッカーを開けると仏像が入っている。その仏像を持って帰る。二谷の事務所では硬貨を奪いに悪漢どもがやってきて、助手の禰津良子がひどい目にあっていた。あの硬貨を渡した女に会い、その仏像の中にダイヤが隠されていると知る。その時悪漢どもがやってきて仏像を奪おうとするが、警官隊も来て一網打尽となる。高跳び用に悪漢どもが用意していたヘリコプターに乗り、二谷は記事を届けに東京に飛ぶ。

2026年6月30日火曜日

矢崎美盛『物語ヘーゲル精神現象学』明月堂書店 2022

本書は矢崎美盛著『ヘーゲル 精神現象論』岩波書店、昭和11年の現代表記版である。書名が違うため別の本かと思うかもしれない。上記の『ヘーゲル 精神現象論』はヘーゲルの『精神現象学』の入門的な解説書として評価が高く、版を重ね、戦後に岩波書店から復刻版も発売された。

しかしながら戦前の出版であるため、口語体ではあるが旧字旧仮名で、昔のことだから漢字の割合が非常に高く、今では使わないような漢字や言い回しを多く使っている。そのため内容理解の前に、読解そのものに時間を取られていた。今回の現代表記で非常に読みやすくなった。

プリースト判事 Judge Priest 1934

ジョン・フォード監督、米、80分。1890年のケンタッキーが舞台。判事を勤めるプリーストの甥が弁護士資格を取り、北部から帰ってくる。隣家の娘を好きなのだが、母親は孤児だと言い結婚を認めようとしない。

この町に偏屈そうな男がいて、床屋で娘を私生児だと他の者が言うので、言った男を殴る。居合わせたプリーストも男の味方だった。殴られた男たちは恨みのため、玉突場で男を待ち構え喧嘩になるが、かえって傷を負わされる。これで裁判になった。男の弁護は新米の甥が勤めることになった。プリーストは男の味方であると言われ、この事件では判事をできなくなった。男は何も弁解せず、このままだと有罪になる。

プリーストは甥と共同の弁護士になって、牧師を裁判に連れてくる。そこで牧師は男の過去を話す。かつて無期の囚人だった。南北戦争の際に、兵士として従軍すれば刑は免除になるので、多くの者と一緒に戦争を戦った。勇敢で抜群の働きをした。隣家の娘の父親でもあったが、秘密にしてこの町に住んでいたと。これで一躍男は英雄に祭り上げられる。

バビロン Babylon 2022

デイミアン・チャゼル監督、米、189分。1930年前後の、発声映画移行期にハリウッドほか映画界の狂騒を背景にメキシコからやって来た若者と新進女優(マーゴット・ロビー)の出世、大物俳優(ブラッド・ピット)の生き様などを描く。

メキシコの若者はハリウッドの映画界の乱痴気パーティの準備のため、象をトラックで砂漠の中を運んでくる。象が糞尿を排泄する場面がのっけから出てくる。パーティに来た無名のロビーを中に入れてやる。メキシコ人はブラッド・ピットに気に入れられ、雑用から映画の道具調達まで仕事をこなし、映画界に入っていく。代役でロビーは注目され、瞬く間に大女優となる。それを貶す映画人もいる。メキシコ人も映画の製作にかかわるようになる。

最後はロビーも没落し、賭博で膨大な借金をこしらえる。メキシコ人が用意させた大金は映画用の札で、それがばれて危うく命を落としそうになる。メキシコにロビーと車で逃げようとする。国境近くでロビーを見失う。戦後になってメキシコ人は家族と共に自分が活躍したハリウッドに戻ってくる。映画館に入り、かつての栄光の夢を見る。

2026年6月28日日曜日

バートン・フィンク Burton Fink 1991

ジョエル・コーエン監督、米、116分。時代は1941年、ニューヨークの劇作家、バートン・フィンクは評価されている。ハリウッドから映画のシナリオ作家にならないかと誘いが来る。ハリウッドに行き、映画会社の社長と会う。レスリング映画の台本を書けと言われる。

ホテルの部屋でタイプライターを前に座っていると隣室から音が聞こえる。フロントに言って注意してもらう。扉を叩く音がする。開けると隣室の男である。大男で下に何か言ったかと迫られる。フィンクはたじたじとなって譲歩した言い方をする。二人はそれから仲良くなる。フィンクは映画のシナリオが書けずに困っている。遭遇した有名な作家と知遇を得て、招かれその女秘書兼情人とも知り合う。ある日、その秘書兼情人がフィンクの部屋を訪ねてくる。朝起きたら寝台の脇にはその女が寝ていた、だけでない、朱に染まって死体となっていた。驚愕したフィンクは隣室の男に話す。男は死体をシーツにくるみ、処理しに行く。男はホテルを出るが、また戻ってくると言い、フィンクに立方体の包みを託す。

後に刑事たちが来る。隣室の男は連続殺人犯だったと聞かされる。フィンクは書いた台本を社長に見せるが、全く気に入ってもらえない。後に日本との戦争が始まり、社長は参戦する気でいる。隣室の男が戻ってきて、刑事たちを皆殺しにする。フィンクは海辺に行き、腰を下ろす。たまたまやって来た若い水着の女が、部屋にかけてあった絵と同じ格好の、波打ち際に後ろを見せて座る。