2026年8月30日日曜日

黒い画集 あるサラリーマンの証言 昭和35年

堀川弘通監督、東宝、95分、白黒映画。松本清張の短編集『黒い画集』の中の『証言』を元にした映画である。小林桂樹は、丸ビルにある繊維関係の会社の課長を演じる。部下の原佐知子を2号として囲っている。ある夜、2号の家から出てきたところ、路地で自宅の近所に住む中年男に出会って、挨拶されこちらも返した。自宅と遠く離れたこんなところでなぜ会ったのか。

後日、この男が殺人の容疑者とされていると分かる。小林が会った時間に離れた場所で殺人事件が起こり、その容疑者となっているのである。男は小林と会ったと言い、それがアリバイとなる筈だが、小林は警察に会っていないと言い張る。なぜそんなところにいたのか聞かれれば、2号について話さなければならなくなる。裁判の証人として出ても知らぬ存ぜぬである。男は殺人容疑で死刑を求刑される。

2号宅を引越しさせる。2号は新しいアパートに住む大学生と仲良くなる。大学生は2号の身体を求める。その際、小林が入ってきて、逃げ去る。大学生は金が必要だと言い、2号を通じて小林に要求する。小林の名、会社名まで知っており、恐喝である。しょうがなく金を工面し、払う約束をする。映画を見ていて時間に遅れた。部屋に行って見ると、大学生は殺されていた。小林は殺人の容疑者となる。最後は真の犯人が捕まり、小林も、あの中年男も釈放される。警視庁から出た小林は、家も滅茶苦茶だしと言い、人生が壊れてしまった身を嘆いて映画は終わる。

この神聖なお転婆娘 Cette sacree gamine 1956

ミシェル・ボワロン監督、仏、83分、総天然色。バルドーの父親はクラブを経営しているのだが、娘には内緒にしている。その父親が偽札事件に巻き込まれそうになる。父親はクラブで歌っている男性歌手にバルドーを連れて外国に行ってくれと頼む。その歌手には学者の婚約者がいる。

歌手はバルドーが今いる学校に行く。ダンスの練習中である。教師にバルドーの身内だと言って引き取りたいと申し出る。警官がやってきて来ているのは悪人だと教師に告げるので、仰天する。歌手はバルドーを連れて逃げ出す。警官や教師などが追いかける。歌手は車に乗せて自分の家に連れてくる。召使がいて外国の偉い人に仕えたというが嘘である。この召使にバルドーの世話を頼む。

バルドーは歌手のいない間にドジをやらかし尽くし、最後は火事を起こして家のかなりの部分を焼いてしまう。歌手の許嫁である女教師が来る。バルドーを隠そうとするが、ばれ自分の妹とか言って嘘をつく。この時、歌手がバルドーを大きな赤ん坊と言って寝台に連れて行くのだが、赤ん坊を仏語ではbebeといい、バルドーの頭文字と同じなのが笑える。この他、婚約者の授業に出ている歌手は眠って夢を見、そこでバルドーほかのミュージカル的な場面が続く。最後はクラブでハチャメチャのどたばたがあってバルドーも父親に再会し、歌手も婚約者と結ばれ幸福結末で終わる。

2026年8月29日土曜日

顔のない眼 Les Yeux sans visage 1959

ジョルジュ・フランジュ監督、仏伊、88分、白黒映画。夜間、車を駆けるのはアリダ・ヴァリ演じる中年の女。川辺に車を止め、後部座席から外套を着せた女(脚で分かる)を引きずり出し、川に投げ入れる。女の死体が見つかったので、心当たりのある者は警察に来る。高名な医師は死体を見て自分の娘だと言う。後から来た老人には警察はもう身元が分かったと言って帰らせる。この医師は再生治療で有名だった。

実は医師の娘は死んではおらず、郊外の広壮な屋敷の奥深くに伏せている。ひどい怪我で顔面が失われ、目だけ残っている。仮面をつけている。父親の医師は犬の実験で、何度も皮膚移植を行なってきた。それが成功しているので、娘の顔面を他の女から移していた。しかしこれまで失敗ばかりだった。顔面を取られた女は死に、それを冒頭の場面で、医師の助手をしているヴァリが処分してきたのだった。ヴァリは新しい若い女を物色する。連れてきて顔の皮を剝ぐ場面がある。剥がれた女はヴァリの隙を見て逃亡を図るが、塔の上から落ちて死ぬ(自殺か)。今回の皮膚移植も初めはまともだったが、段々崩れていく様子が映し出される。

ヴァリはまた女を捜してくる。実は警察もこの医師を怪しみ、囮として使った女だったのだが、医師に言いくるめられて帰る。その頃、寝台に寝かされていた女の所に医師の娘がやってきて逃がす。ヴァリが来ると娘はナイフで刺す。更に実験用に飼っていた多くの犬を逃がす。犬の群れは孵ってきた医師に襲い掛かり食い殺す。仮面をつけた娘は夜の闇の中へ歩き去る。

2026年8月28日金曜日

機動捜査班 裸の眼 昭和38年

小杉勇監督、日活、75分、白黒映画。交通事故を起こした当事者間に立ち、法外な金を巻き上げる示談屋の手入れが警視庁によってなされた。内田良平が仕切る示談屋はなかなか捕まらない。悪徳示談屋の事務所に泥棒が入り、金と手帳を奪われた。これは社長の秘書、香月美奈子が企み、男にやらせたものだった。実行した男は、社長が使っている集金屋の弟分だった。社長はその集金屋を怒鳴りつける。

奪った男は車にはねられる。その時、内田良平が居合わせ、運転していた女の代わりに自分がはねたと言ってやり、男を病院に運ぶ。奪った男は意識が回復してから病院を逃げ出す。しかし金を入れたロッカーの鍵が見つからない。この鍵は病院に運ばれる途中、車の中で落としたのだった。後に内田良平はそれに気づき、鍵を渡す代わりにその場所を教えろと男と交渉する。駅の操車場で、内田と男は撃ち合いになり、男とその兄貴分を殺す。

内田は香月と手を組んで、金を入れた東京駅のロッカーに向かう。それを警視庁の車が追跡していた。東京駅の構内で、内田と警察の追っかけがある。さすがに駅での撮影なので、他の映画のように銃の撃ち合いはない。内田を逮捕し、桜田門に向かう警視庁の車を空中から撮影する場面で終わり。

2026年8月26日水曜日

花嫁はあまりにも美しい La mariee est trop belle 1956

ピエール・ガスパール=ユイ監督、仏、94分、白黒映画。田舎に住むブリジット・バルドーは親がいなく二人の伯母と住んでいる。ここに婦人雑誌が撮影に来る。モデルがいなくなり、急遽、バルドーは代わりのモデルになる。雑誌では新人の俳優と組んでバルドーを、結婚式の特集に抜擢する。

婦人編集長は一緒に仕事をしている、プレイボーイの色男と結婚したく思っていたが、今の夫が離婚を承知しない。相手の俳優からバルドーは結婚してくれと打ち明けられる。しかしバルドーにはその気がなかった。傷心の俳優は夜中に逃げてしまう。相手がいないので、写真がとれない。そこで色男が代役として、バルドーと結婚する相手役になる。結婚式で教会から出てくる時、婦人編集長は色男に駆け寄り、抱きついて夫が離婚を承諾してくれたと話す。これで色男と結婚できるわけになった。バルドーはその場で失神する。バルドーは色男を愛していた。新人俳優から愛しているなら告白せよと忠告される。バルドーは色男に愛を言うが、相手は結婚する気になれないと答える。バルドーは気を紛らすために、夜中に次々と男の部屋を訪ね、抱いてほしいと言う。それは叶わず、また色男も編集長に向かい結婚する気はないと伝える。結局のところ、バルドーと色男は本物の結婚をする。

2026年8月25日火曜日

機動捜査班 群狼の街 昭和37年

小杉勇監督、日活、78分、白黒映画。男たちが都会の建物から出てきて車に乗り、走り去る。原っぱのようなところで、右左に分かれた男たちが銃撃戦をする。警視庁のパトカーが現場に向かうが闘いが終わった後で、残された死体は某暴力団の組長だった。相手方は競争相手の別の組だろうと推測された。殺された組の一人が内田良平で、相手方の組を乗っ取ろうと策を弄する。

まず警察に組長を殺したのは、幹部の某だとたれこむ。その某は敵方の暴力団に自分の組の権利を売り渡して、自分を敵方に取り込もうとしていた。内田はその某より格下だったが、敵のボスに取り入り、秘書役になる。またそのボスは箱根で療養している。世話をしているのが香月美奈子で、元はバーのマダムをしていたが、今はボスの心が移り他の女がバーを仕切っている。内田は香月を口説き味方につける。内田はかつての組の幹部某を殺す。

元敵の幹部連中とバーのマダムは、内田を成り上がり者として下に見ている。内田は箱根のボスに、今のバーのマダムは幹部の一人と出来ていると知らせ、激怒するボスは亡くなる。建物等の権利を自分のものとするため、死んだボスのハンコを勝手に自分で押し、自分名義にする。バーのマダムと幹部には、氷に毒を入れたウィスキーを飲ませ殺し、心中に見せかける。金持ちの娘と婚約し、自分の物となったバーで披露の宴を開くつもりが、来たのは警察だった。香月が警察に知らせたのである。その場で銃の撃ち合いをした後、内田は車で逃げる。警察のパトカーが後を追う。最後に捕まえる。

2026年8月22日土曜日

機動捜査班 東京暴力地図 昭和37年

小杉勇監督、日活、74分、白黒映画。弱小化した暴力団にいる内田良平は、湘南で勢力を持つ組に張り込もうとする。カミナリ族の連中は店で暴れていたりしたが、湘南で地域の仕切る暴力団の幹部からひどい目に会わされる。内田はこのカミナリ族を使って相手側を潰す計画を立てる。相手の幹部二人を殺し、それを仲たがいのように見せかける。これにカミナリ族の一人を使った。その男も後に内田に殺される。

内田は相手側暴力団のボスに会い、今まで死んだ幹部の仕切っていた場所をとろうとする。ボスの娘、香月美奈子にも手を伸ばしていた。内田は自分がいた弱小暴力団の今は主であるバーのマダムと通じていたが、マダムは内田が他の女、組に出て行こうとするので、カミナリ族の連中に、仲間を殺したのは内田だとばらす。これで香月と逃げた内田を捕まえるべく、カミナリ族は内田の車を追う。警察も殺人事件の犯人が内田と知り、追いかけ、最後に捕まえる。