堀川弘通監督、東宝、95分、白黒映画。松本清張の短編集『黒い画集』の中の『証言』を元にした映画である。小林桂樹は、丸ビルにある繊維関係の会社の課長を演じる。部下の原佐知子を2号として囲っている。ある夜、2号の家から出てきたところ、路地で自宅の近所に住む中年男に出会って、挨拶されこちらも返した。自宅と遠く離れたこんなところでなぜ会ったのか。
後日、この男が殺人の容疑者とされていると分かる。小林が会った時間に離れた場所で殺人事件が起こり、その容疑者となっているのである。男は小林と会ったと言い、それがアリバイとなる筈だが、小林は警察に会っていないと言い張る。なぜそんなところにいたのか聞かれれば、2号について話さなければならなくなる。裁判の証人として出ても知らぬ存ぜぬである。男は殺人容疑で死刑を求刑される。
2号宅を引越しさせる。2号は新しいアパートに住む大学生と仲良くなる。大学生は2号の身体を求める。その際、小林が入ってきて、逃げ去る。大学生は金が必要だと言い、2号を通じて小林に要求する。小林の名、会社名まで知っており、恐喝である。しょうがなく金を工面し、払う約束をする。映画を見ていて時間に遅れた。部屋に行って見ると、大学生は殺されていた。小林は殺人の容疑者となる。最後は真の犯人が捕まり、小林も、あの中年男も釈放される。警視庁から出た小林は、家も滅茶苦茶だしと言い、人生が壊れてしまった身を嘆いて映画は終わる。