スピルバーグ監督、米、150分。アメリカ大統領リンカーンの、南北戦争時を背景にした映画。1865年の初めから映画は始まり、戦争はこの年終わるが、まだ奴隷の扱いについて意見がまとまっておらず、憲法修正のための政治的駆け引きが延々と続く映画である。南北戦争やリンカーンについてあまり知らない者は、映画そのものが良く分からず面白くないだろう。
それで南北戦争やリンカーンについて勉強を始める者がいたら、そういう機会を作るのが本映画の貢献と言える。リンカーンは歴代の米大統領の中でも一番評価が高く、米にとっては英雄なのだろう。だから米国民が本映画を見る態度は他の国民とかなり異なっているのでないか。
日本で政治家の英雄と言えば、かつては豊臣秀吉が一番人気であったが、最近は晩年の朝鮮半島侵略以外何も語られなくなっている。革命児のように言われていた織田信長は、今の歴史家の評価では創造性ゼロの凡将だそうで、革命的などと言ったら笑われるらしい。前の戦争で敗戦となり、進歩派が支配的となったので、戦後の保守政治家は誰も評価されない。