著者は日本を代表する経済学者の一人である。本書は失われた30年の日本経済の解明を主題とするが、副題にあるように、「時代精神とアニマルスピリッツ」という観点から論を進める。
日本経済(及び世界経済)に閉塞感を感じるようになって久しい。具体的な例を多く挙げているが、ニーチェのいうアポロ的、理性的な考え方とディオニュソス的な考え方を比較し、アニマルスピリッツは後者の考えだと言う。何事も計算ずくになって、収益のことしか考えなくなると、経済はダメになる。バブルの発生と崩壊はその例と言える。著者はアニマルスピリッツこそ蘇るべきだと説く。