2025年1月18日土曜日

ウールリッチ『黒いアリバイ』 Black alibi 1942

南米が舞台の小説である。アメリカから来た人気の女の芸人がいる。マネージャーは豹を連れてきて、女と一緒にさせ、話題作りにしようと目論む。ところがレストランで豹が暴れ出し、女をひっくり返し逃亡する。豹の行方を追うが見つからない。その後、若い女の連続殺人事件が起きる。最初は貧しい家の娘で使いに行った帰りに襲われ、母親が扉に錠をしたため入れず殺される。次は恋人に会うため、墓参りと称して墓地に来た令嬢が殺される。友達同士の若い女二人が寂しい公園に行き、一人が殺される。殺人に至るまでの話が長々とある。

警察は豹の仕業というが、豹を連れてきたマネージャーの男は否定する。人間が豹を操っていると思っている。男は犯人を捕まえるため、最後の事件で生き延びた連れの女に囮になってくれと頼む。初めは嫌がったが承知する。公園で女が待っているが犯人らしき者は来ない。ここまで連れて来た馬車が女を迎えに来る。乗って行く。実は犯人は馬車の御者に化けていたのである。隠れていた男は追う。幸い、協力してくれた別の事件の犠牲者の恋人が犯人をやっつけた。豹を操る男は警察の警部だった。(稲葉明雄訳、世界推理小説大系第9巻、講談社、昭和47年)

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