2025年1月12日日曜日

大下宇陀児『蛭川博士』 昭和4年

江ノ島近くの海岸で若い女が刺殺される。怪しい男を見たという情報は、男の恰好がかなり違う証言になった。被害者と一緒にいた婦人は蛭川博士という男の妻であった。刑事が蛭川博士宅を訪ねると魁偉な唖の男に邪魔される。蛭川博士の夫人が現れる。唖は家来と言い、蛭川博士は癩病で会えないと断られる。

不良グループがいてその長は合いの子、混血児である。この男が探偵役となる。仲間の一人は海岸殺人事件の現場にいて警察に嘘の証言をしていた。話はある指環を巡って、そのため複数の殺人が起こる。また最大の謎である蛭川博士は途中で殺されたとなるが、その真相が小説の最大の核心である。(論創ミステリ叢書第52巻、2012年)

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