2025年1月1日水曜日

ボヴァリイ夫人 Madame Bovary 1934

ルノワール監督、仏、98分。フローベールの有名作の映画化。

医師と結婚したエンマは退屈な日常に耐えられず浮気を重ねる。また借金で首が回らなくなり、最後に自殺する。自ら招いた窮地なのに、自分ほど不幸な者はいないと嘆いている。自業自得なのであるが本人は全くそう思っていない。正直なところエンマのような人間は、自殺まで至らないにしても、世の中結構多いのではないか。お金を使わないと(贅沢をしないと)幸福になれないと思っている。贅沢とは自分が自由になる以上のお金を使うことである。エンマの夫、医師であるシャルルは全く鈍感で呆れる。これが写実小説と言われるのは良く分からない。

映画は戦前の作で、今より小説の舞台である19世紀の前半に近かっただろうから、当時の風俗の再現は比較的容易だったろう。昔のフランスの田舎の風景の一例として映画を観られる。

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