2025年1月29日水曜日

福田和也『作家の値うち』飛鳥新社 2000

評論家の著者が現役の主要な作家百人(純文学、エンターテインメント系、五十人ずつ)を選び、その作家の作品について百点満点で点数をつけている。作品毎の評価だから作家の値打ちでなく、小説の値打ちである。しかも78点とか64点など一桁の単位まで数字で評価しているが、一体78点にして77点に、あるいは79点にしなかった理由が書いていない。90点以上、80点以上、などと10毎に区切ってその範囲の作品を世界文学の水準とか、一番下は人前で読むのが恥ずかしいとか書いてある。それなら甲乙丙では5段階しかないから、A、B、C、とかI、II、III、IV、などの区分で十分である。

純文学とエンターテインメントの違いをコラムで書いているが、納得できる理由でない。実際の夫々の作品の評価は読んでいないものが多く、それらについては何とも言えないが、読んだのに全くここの評価が違う物が結構ある。正しい評価というのがあるのか。ここの評価も読書感想文にしか思えなかった。専門家なら客観的な評価の仕方(そういうものがあれば)示してもらい、それに従って点数つけをするべきである。

この本の値打ちはいかほどか。文庫化されず、単行本も絶版か品切れのようである。これがこの本に対する四半世紀たってからの評価である。

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