自身が弁護士であったE・S・ガードナーのペリー・メイスンシリーズの第一作。
メイスンの元に女依頼人が来る。ある事件が起きた時、既婚者の自分と政治家が一緒にいた。それを赤新聞にゆすられている。なんとかして欲しい。女は自分のことは偽名で通している。秘書のデラ・ストリートは依頼人を嫌う。メイスンは調査に乗り出す。女の旦那は実力者で、実は陰で赤新聞を牛耳っていた。
夜中に女から電話がある。夫が殺されている。メイスンは女と会い、その家に行く。旦那が風呂場で銃で撃たれ死んでいる。狡猾な女は夫が誰かと一緒にいた、相手の声は聞こえた、その声はメイスンだと言う。ともかく嘘しか言わない女依頼人で、メイスンを事件に巻き込もうとする。秘書は女をビロードの下に爪を隠していると非難する。メイスンは実は夫を殺したのは女だったと見破る。女も認める。夫の残した財産は殺害者なら当然受け取れるはずもない。その後更にメイスンは事件のからくりを追い、最後に真相が明らかになる。ハードボイルド的な小説だが、犯罪の謎解きは普通の推理小説と変わらない。(山下諭一訳、世界推理小説大系、講談社、昭和47年)
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