エドワード・ドミトリク監督、米、82分。戦時中の米国製の反ナチス映画。題にあるヒトラーの子供とは、ドイツでは子供は国家のために産んでいる、という意味である。
ベルリンのアメリカン・スクールで働いている女はナチスの軍人が来て、何人かの子供たちと連れていかれる。同僚のアメリカ人教師が問うても答えがない。女はアメリカ人なのだが、親がドイツ人なのでドイツ人とみなされ、ドイツの女としての「教育」を施すためである。連れて行ったナチス軍人は女の幼馴染であった。アメリカ人が女を取り戻そうと奔走するが、みんな恐れて協力してくれない。アメリカ人はナチスの司令部に出かける。会った軍人は女はドイツに協力的になっていると告げる。実際に女に会うと、女は満足していると答える。アメリカ人は去るが、アメリカ人を助けるための嘘を言ったのである。
幼馴染のナチス軍人は女と愛し合っており、女への鞭打ちを止めさせ、女を脱走させる。教会で女は捕まる。女を逃がした罪で軍人も裁判にかけられる。裁判は放送されるが軍人はナチス下のドイツを批判し、銃で撃たれ、女も同様に処刑される。戦時中の宣伝映画なので、ナチスが滅んだ後なら違った作り方もあったろう。