2020年12月17日木曜日

福田恆存『私の幸福論』 ちくま文庫、1998年


 題名だけだと分かりにくいが、本著は女性週刊誌に連載された幸福論である。だからまず女を対象にした議論なのである。更に連載は昭和30年から翌年にかけて。65年前の議論である。当時の環境、特に女を巡る社会状況を前提としている。読んでいて、どの辺りが時代状況を前提とした意見で、どの程度普遍的と言っていい議論が展開されているかといった点を考えさせる。著者は男なのに、女も同じように感じるなどといった断定調で書かれており、どの程度本当なのかと思った。正直あまり面白い本だとは思わなかった。

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