2020年6月11日木曜日

間諜最後の日 Secret Agent 1936

ヒッチコック監督、英、85分。モームの原作のスパイ物。

設定は第一次世界大戦中。ドイツのスパイ捜しにスイスまで行く。その役目は小説家上がりのアシェンデンに命令された。役はジョン・ギールグッド、あのシェイクスピア役者であり、戦後の映画のイメージは禿げ頭の爺さん、がやっている。そのギールグッドの若かりし日の出演作である。
映画は小説家の葬式の場面から始まり、それで死んだことになったギールグッドがスパイに任命されアシェンデンと改名、スイスに向かう。同僚のスパイはピーター・ローレがしている。映画好きが賞賛してやまない俳優である。

ホテルに着いてみると、アシェンデン夫人なる人物が待っている。驚くアシェンデン。これはイギリスの諜報機関が送り込んだ煙幕用の女スパイであった。
教会のオルガン弾きが情報を持っている。教会に行ってみると既に殺されていた。その際のヒントから賭博場で怪しい男を見つける。それがドイツのスパイだろうと。山に登って事故に見せかけ殺す。後からイギリスから連絡があり、男はスパイでないと分かる。

スパイ同士の偽装アシェンデン夫妻であったが、お互い惹かれ合っていた。間違いで人殺しするくらいならスパイは辞めて国に帰ろうと、その予定だったがギールグッドはスパイ狩りに出かける。女は嫌になり、書置きを残し自分だけで帰るつもりだった。駅で賭博場以来知り合いになっていた若い男と会い、頼んでついて行く。その男こそがドイツのスパイだった。列車でギールグッド、ローレはアシェンデン夫人に会う。初めて女は若い男がドイツのスパイと知る。男を殺さないでくれと頼む。英軍の飛行機が列車を攻撃、脱線転覆してスパイ、ローレは死ぬ。ギールグッドと女は助かり帰国してスパイは辞め実際の夫婦になる。

昔の映画とは言え、設定が気になるところ大であった。当時のスパイはこんな牧歌的で済んだのかと疑いたくなってしまう。
アシェンデン夫人になった女スパイは自分からスパイになったというが、映画ではただただ感情的で気まぐれ的、情に深い、女としてしか行動しない。アシェンデンに実際の妻がいて、追いかけてきたという設定にすべきである。

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