フランス中世の叙事詩。英雄ローランを歌う。
ローランはシャルルマーニュの配下、甥で並ぶものなき勇者である。回教に支配されていたスペインにシャルルマーニュは軍を進める。ローランの義父で仲の悪いガヌロンは、ローランに復讐するため自分が使者となって赴いたサラセン人の王と組み、偽の約束をシャルルマーニュに持って帰る。これでシャルルマーニュの軍は引き上げることになった。
しんがりを勤め、人数の少ないローランその他の軍勢にサラセン人の軍隊は襲い掛かる。一騎当千の騎士もさしも多数のサラセン人の軍で一人一人倒れていく。盟友オリヴィエも失い、最後に一人となった豪勇無双のローランも獅子奮迅の活躍の後、ついに敵の刃に斃れる。
取って返したシャルルマーニュの軍隊はサラセン人の軍を蹴散らす。また敵が応援を頼んでいた軍も倒す。
裏切り者のガヌロンは手足を馬につながれ、八つ裂きの刑で果てる。
ローランその他フランスの勇士たちとサラセン人の戦いが大半を占める叙事詩である。
佐藤輝夫訳、ちくま文庫、1986
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