サミュエル・フラー監督、米、80分、白黒映画。
あるすり(リチャード・ウィドマーク)が地下鉄で女から財布を掏る。その中に共産主義者のスパイの情報が入っていて、取り戻す駆け引きが筋。
ウィドマークが地下鉄で女からすっているのを刑事は目撃する。女は共産主義者の情報の運び屋で長い間、警察は見張っていたので、すりの現場を見届けたのである。
女は掏られたと自分の男に言う。男は驚き何としてでも取り返せと迫る。情報屋の中年女からウィドマークの住所を聞き出す。この中年女は警察からもウィドマークについて聞かれていた。女がウィドマークの家(ニューヨークの海辺に張り出している家)に押込み、捜しているとウィドマークに見つかり殴られる。女なので驚く。よほど価値ある財布の中身らしいとわかる。それは警察が財布の中身を返せば、過去の犯罪は帳消しにすると譲歩することからも推測がついた。
女が男に事情を話すと、その場に居合わせたボスたちは拳銃を男に渡し、取り返してこいと命令する。女は男が危ない目に会うからと心配し、デタラメの住所を教える。
女の男は住所がデタラメと分かり、情報屋の女から聞きだそうとし、言わないので撃ち殺す。ウィドマークも自分の盗んだ情報(フィルム)が国家的な重要性を持つと分かる。ウィドマークからフィルムを取った女は警察に持ち込む。もうこれ以上犯罪が起きないようにしたい。警察の頼みで、女の男を呼び寄せる役を引き受ける。男は女が不実と分かり、銃で負傷させる。更に刑事を殺し逃げる。
ウィドマークは女から男が取り引きすると聞きだし、そこで男と共産主義者をやっつけ、国家に尽くす。お互い惹かれ合っていたウィドマークと女は晴れて結ばれるであろう、で終わり。
時代を反映した映画である。朝鮮動乱が終わった年で、共産主義は絶対的な悪となっている。話の展開は無理なところが多い。女らしい浅知恵で混乱させる。夜中に男の家に女一人で押し込む。男を呼び寄せるのに女を使っておきながら、警察は建物の外にいて駆けつけられず、女が危険な目に会う。また刑事が殺されて男には逃げられる。
有名な俳優が出ていて、監督もサミュエル・フラーなので評価されているところがあるようだ。
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