エドガー・G・ウルマー監督、米、67分、白黒映画。
ネヴァダ州の食堂で暗い男がいる、話しかけられても返事無し、ジューク・ボックスの音楽をやめろと怒鳴る。暗い思い出があったから・・・で過去の回想。
ニューヨークの酒場でピアノを弾いていた。恋人の歌手は夢を追ってハリウッドへ行く。最初はついて行かなかったが、後から恋しくなり男もロサンゼルスへ向かう。
金がないからヒッチハイクである。気の良さそうな男に乗せてもらう。男もロサンゼルスへ向かっている。夜、代わりに運転していた。雨が降りオープンカーなので屋根を出そうとする。寝ている男を起こそうとすると死んでいた。
警察に話しても信じてもらえそうにない。男の服を着て、死体は隠し車を運転してロサンゼルスへ向かう。ガソリンスタンドに若い女が立っていた。乗せてやる。運転している途中、いきなりあの死んだ男の名を言い、どうしたと聞く。女は以前、死んだ男の車に乗ったことがあり、運転している男は違うと分かっていたのである。殺したかと聞く。男が事情を話しても信じない。殺したと思いこんでいる。
ロサンゼルスに着く。車を売って金を作ろうとした。中古屋でいきなり女は車を売るのは中止だと言う。
男がきくと死んだ男の父親が死にそうで、息子に莫大な財産を残すはずと新聞でわかった。だから何食わぬ顔で、父親が死んだら自分が息子と名乗り出て財産をもらえばいいと話す。男は見つかったらどうすると返す。女は強気で分からないと言い張る。お互い譲り合わず、怒鳴りあう。女は断れば警察に男の殺人を通報すると言い出す。これには男も参った。警察には言わないでくれと頼む。男が隙を見せた時、電話機を持って隣室に駆け込む。女は電話しようとする。隣の部屋の扉越しにその電話コードを男が引っ張る。扉を開けたら女はコードが首に巻き付いて死んでいた。男は、今度は本当に殺人を犯した、というので逃げる。
冒頭の食堂の場面に戻る。食堂を出る。女の殺害は、車で死んだ男の仕業と警察は思い込んでおり、思わぬ因果で助かったと思った。するとハイウェイ・パトロールが止まり、警官は男をパトカーに押し込む。
アメリカのヒッチハイク全盛時代の映画である。禁止になったのはいつ頃だろう。急死した男になりすまし、車を運転しているのに見知らぬ女を乗せるのはどうかと思った。
更に電話コードでの殺人はうまくいきすぎのように思えた。
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