2021年7月21日水曜日

黒猫 The Black Cat 1934

ウルマー監督、米、65分。

欧州で新婚旅行中の二人の男女。列車の箱にベラ・ルゴシが入ってきて同席する。ルゴシは新婦に興味を示す。知っている女に似ているからと。列車が着き、そこからやはり同じ車で新婚夫婦とルゴシは別々の目的地に向かう予定だった。しかし事故が起きる。しょうがないので、新婚夫婦はルゴシが訪ねる予定だった屋敷に同行する。そこの主人がボリス・カーロフである。カーロフも新婦に興味を示す。ルゴシとカーロフは因縁があった。かつて戦争でカーロフはルゴシ等を置き去りにし、自分は逃げてルゴシの妻を奪ったのである。しかもルゴシ夫妻の娘とカーロフは夫婦になっていた。これはルゴシも知らずにいた。新婦はその妻と似ていた。カーロフは新婦を奪い、秘密の儀式の生贄にしようとする。ルゴシが阻止しようとする。新婚夫婦が逃げ出した後、屋敷は爆発する。

ポーの短篇名を使い、映画の最初にもポーの名が出てくるが、内容は『黒猫』と全く似ても似つかない作品である。黒猫と名付けられるのは、映画の途中、カーロフの屋敷で度々黒猫が出てくるからで、それだけである。誰でも知っている名を題に使えば少しは客が入るとの見込みだったのか。

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