ヒッチコック監督、米、114分。グレゴリー・ペックが弁護士役で法廷中心劇。
パラダイン未亡人(アリダ・ヴァリ)に夫の殺害容疑がかかり逮捕される。グレゴリー・ペックが弁護士になる。果たして実際の犯人か。亡夫は英雄的な軍人だったが、盲目であった。映画の中心はペックがヴァリに恋をし、何としてでも無実にしたいという思いに駆られる様である。それには亡夫の自殺か、その世話役の比較的若い男の仕業にするしかない。実際に弁護士が依頼人に特別な感情を持ったとしても、それを隠して弁護に当たるのが普通であろう。ともかく弁護士は被告の無罪を勝ち取るのが目的なのだから。ところが本映画では、ペックは夫人に対する恋情のため、恐ろしく感情的になり、自分の夫人への思いを露わにして裁判の場でも言動する。辣腕弁護士という設定のはずだが、およそ現実的でない。裁判の最後の方になって真相が分かり、ペックは赤っ恥をかかざるを得なくなる。
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