リトヴィク監督、米、108分、主演はオリヴィア・デ・ハヴィランド。
ハヴィランドはベンチに座っている。他の女と共に列を作れと命令が来る。訳が分からず、歩いて行くと、門が閉ざされ建物に入れられる。そこにいる大勢の女たち、建物の作りを見て、これは刑務所だと気づく。実際ここは精神病院だった。ハヴィランドは過去の記憶があやふやである。誠実な医師の努力で少しずつ、過去を思い出していく。思い出せない過去がどういうものだったかを追っていくところが映画の中心である。その辺はスペイン映画『オープン・ヨオ・アイズ』に似ている。興味津々で観る者を引き付けていく。ただし最後の種明かしは当時のアメリカの精神分析を支配したフロイト理論によっているので、いっぺんに古さを感じさせてしまう。医師が話す背後の壁にフロイトの肖像がかかっていた。
他に無暗と煙草を吸う場面が出てくる。戦後とは言え、まだ肺癌と煙草の関連が指摘されていなかった時代と分かる。気になったところは、最初の退院審査で尋ねる医師がハヴィランドの眼の前で指を回し続け、きれさせるところや、看護婦がハヴィランドの作家業などくだらないと嫌味をわざわざ言うところである。こんな医師や看護具がいるかと思った。いるかもしれないが。
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