ジョージ・キューカー監督、米、125分。普通に鑑賞されているこの劇の映画としては特に古い。
この映画ではロミオをレスリー・ハワード、ジュリエットはノーマ・シアラーが演じている。ハワードは40歳代、シアラーは30歳代である。原作では共に十代という設定なのに、最も高年齢者が演じたロミオとジュリエットと言えるか。共に当時の人気俳優であったが、なぜこのような年齢の役者が演じたか、知らない。
それにしても映画の話でなく、この原作について言うと、シェイクスピア中、特に有名な悲劇であろう。ただし四大悲劇には入っていない。正直なところ、恋人二人の悲劇は手違いから起こったのに過ぎない。余計な深入りをするローレンス神父のせいとも言える。両家がそれほど争っていたように見えない。ロミオを見つけたティボルトがいきり立つと、キャピュレット家の当主は諫めているのである。シェイクスピアの喜劇でThe comedy of errorsという作があるが、本作はThe tragedy of errorsと名付けてもよさそうである。
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