2020年8月21日金曜日

修道女 La Religieuse 1966


 ジャック・リヴェット監督、仏、135分、アンナ・カリーナ主演。意図に反し修道院に入れられた女の苦難の物語。原作はディドロで、舞台は18世紀のフランス。

主人公のカリーナ(役名シュザンヌ)は修道院に入る際の宣誓で、入りたくて入るのでないと答え、周囲を驚かせる。姉たちの結婚で持参金を使い果たし、親は金がない。母親は父親は別にいる、今の父は実親でないと言い渡す。厄介払いの恰好で修道院に入るしかない状況になる。

最初の修道院長は優しく、カリーナはその下で従っていた。しかし院長が死に、新院長は偽善的で厳しく、カリーナにつらくあたる。カリーナは修道院などに居たくない、自由になりたいと言い出し、院長のいじめは更に度を増す。カリーナの申し出が弁護士を通じて教会の上層に届き、審査に来る。カリーナの言い分は分かったものの、院長は有力者の家系で処分できない。

計らいでカリーナは新しい修道院に移る。そこの院長はさばけた、というよりカリーナに気があるところを露骨に見せる。困ったカリーナは神父に懺悔する。しかし新しい神父もカリーナに思いを寄せ、自分も神父が嫌いだ、一緒に逃げようと誘う。二人は逃げる。神父は捕まったようだが、カリーナは逃げる。変転の後、高級娼婦にされる。客たちが集まる会合で、神に許しを請い窓から身投げする。

修道院、教会批判が濃厚で、本作はカトリックから攻撃を受け、すぐには上映できなかったと言う。

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