ナタウット・プーンピリヤ監督、タイ、130分。高校生たちの大掛かりなカンニング騒動。
秀才の娘が自慢の教師は、ある高校に娘を転入させたく校長と面接している。カネがかかると言うと校長は負担はなしにすると言う。主人公の娘がこの高校で知り合った女友達に頼まれ試験中に答えを教えてやる。カネがある家の男子生徒は自分にも教えろと、主人公に迫る。金を取ってかなりの生徒たちにカンニングさせる。それに留まらない。外国への留学試験に出来の悪い金持ち子息、及びその他生徒をどうやって合格させるか。そのための案まで考え出す。それにはもう一人の秀才の男の協力が必要である、というので金を約束して、カンニング大作戦を練る。
観ていて面白い映画と言えよう。興奮させる場面が続く。自分たちが登場人物らに近い年齢層であれば感情移入もしやすいであろう。
ただ気になる点が当然ながら出てくる。登場人物たちに全く倫理が欠如している。凡てが金である。合格して外国留学の名誉を勝ち取るにはどんな不正も気にしない。また天才たちと言いながら、こんな綱渡りの大博打をどうしてやるのか。失敗する可能性は非常に高い。いや現実にはほとんど無理である。つまり失敗すれば元も子もなくなる、で済まない。犯罪者として一生その烙印が押される。そのような危険性の極めて高い冒険に「天才」が賭けるのが分からない。普通人が犯罪を犯さない最大の理由は、捕まった時の犠牲というか費用があまりに大きすぎるからである。
気になる点はあっても全体として面白いから観る価値はある。超人の出てくるアクション映画を観ていても上のようなところがあるから、とやかく言うこともあるまい。
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