2020年8月16日日曜日

ゾラ『水車小屋攻撃』岩波文庫 2015

ゾラの短篇小説集。「水車小屋攻撃」「小さな村」「シャーブル氏の貝」「周遊旅行」「ジャック・ダムール」「一夜の愛のために」「ある農夫の死」「アンジュリーヌ」の8篇を含む。

水車小屋攻撃は普仏戦争が平和な村の幸せな人々を破壊した様、小さな村はスケッチ風に戦争の災禍を一般的に述べる。シャブール氏の貝は若い妻が土地の青年といい仲になるが、自分の健康しか頭にない中年の夫。周遊旅行はお仕着せの観光コースにうんざりする若い二人。ジャック・ダムールはパリ・コミューンに参加し、後に島送りになった男が十年ぶりに故郷にパリに帰って発見する家族のあり様。一夜の愛のためには隣家の美人に惚れている男が、その女に不祥事の後始末を頼まれて被る災難。ある農夫の死は田舎の老人が死んでどう家族が葬式を出すか。アンジェリーヌは古い屋敷にまつわる少女の死に関する顛末。

朝比奈弘治訳、岩波文庫、2015

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