2019年7月24日水曜日

シェイクスピア『ヘンリー四世』 Henry IV 16世紀末

第一部と第二部から成る。『リチャード二世』の後を継ぐ作品である。リチャード二世を退位させ自らヘンリー四世となったのはボリングブルックである。

ヘンリー四世は天下を取ったのちもイギリスは内戦で、その位置は安泰でない。更にヘンリー四世の息子ハリー王子は、悪友ファルスタッフとつるんで放蕩をほしいままにしている。
ファルスタッフというビヤ樽腹で大酒のみ、ほらを吹いてばかりだが大口だけで実際は臆病という男、シェイクスピアの創造した人物の中で、最も有名でかつその造形は評価されている。正直「ヘンリー四世」は王自身よりもファルスタッフに食われているといった印象を持ってしまう。

第一部では反乱を起こし、王に刃向かう勢力の中でホットスパーの異名をとる若者が目立っている。このホットスパーとハリー王子の決闘がある。
第二部では内線がまだ続く中、ファルスタッフはロンドンへ帰り、飲み屋の女将等とよろしくやっている。内戦は休戦となった。ヘンリー四世は病気で倒れ、ハリー王子はヘンリー五世となる。悪友のハリー王子が王になった。ファルスタッフは喜ぶ。自分も分け前にあずかれると期待していく。ところが王になったハリー王子はファルスタッフをこれまでの罪で捉える。
松岡和子訳、ちくま文庫、2013

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