家光と一心太助がそっくり(錦之助の二役)で入れ替わるという、トウェインの『乞食王子』の換骨奪胎に見える劇。
家光がまだ次期将軍であった時代。家光の弟を何としても次期将軍につかせようとする江戸城内の勢力が、家光を亡き者にする危険性がある。大久保彦左衛門(進藤英太郎)は正装した一心太助が家光と瓜二つであると気づき、太助を家光の影武者としようと思いつく。太助は江戸城に住み、家光は太助の代わりに江戸市中の長屋へ行く。
この入れ替わりがもたらすドタバタがある。最後の方で、家光の弟が兄を思う心情の吐露で感動させる場面がある。まだ昭和30年代半ばで時代劇が元気だった頃の映画である。
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