2019年7月31日水曜日

脱獄・広島殺人囚 昭和49年

中島貞夫監督、東映京都、97分、松方弘樹主演。
戦後まもない時期から、入獄と脱獄を繰り返す男を松方が熱く演じる。
ともかく何度投獄されても脱獄して捕まってもまた脱獄をする。脱獄こそわが人生といった感じの男である。

有名な俳優陣が共演している。梅宮辰夫演じる囚人は刑務官を捕虜にし、所長にカンカン踊り(囚人が裸でやらされる検査用の踊り)をさせる。彼と西村晃と三人で脱獄するが、西村は事故死、後二人は捕まり監獄に戻ってくる。梅宮を痛めつけた監獄内のボスを殺す、松方を怒らせた刑務所の高官を傷つける、など全く制御がきかない。その度に刑期が加算されるが気にしない。

四国の田舎に住む、松方の妹を大谷直子が演じる。妹宅には脱獄して訪れた。家の裏で違法な牛の屠殺とその肉の捌きをしている連中を脅し、高い手数料をふんだくる。もっとも2回目に妹宅に行った際は、その連中の裏切りで危うく捕まりそうになる。

ともかく松方は絶対にあきらめない、飽くなき情熱の持主を演じている。脱獄囚という感心しない人間であるが、日本映画の中でもこれだけ挫けることなく挑戦し続ける者は少なかろう。

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