J.O.発声漫画部製作、中野孝夫ほか作画。題名に1936年と入っているが、製作はその2年前、昭和9年(1934)である。題名の年を見て間違える場合が多いようだ。8分。
近未来漫画映画というべきか、当時の日本の風潮を反映して、米国との戦争を予想させる内容になっている。
南海の小島のように見える海浜で、子供たちや猫など動物が踊りをしている。そこへミッキーマウスがこうもりに乗ってやってくる。邪悪な顔つきである。文書を落とす。見ると島を明け渡せという。戦争宣言である。空からはミッキーがこうもりになったような飛行隊、また地上では蛇の大群が押し寄せる。空からの奇襲で女の子が攫われる。土人が生贄にするように火あぶりの刑に処しようとする。
日本昔話の本を開け、桃太郎以下、一寸法師、猿蟹合戦等々の英雄たちが現れ対抗する。爆弾三勇士まで出てくる。爆弾三勇士の挿話は製作の2年前に起きた。雲の上で、桃太郎とミッキーマウスの一騎打ちとなる。その間、多くのミッキー戦闘機は突かれ破裂し落とされる。ミッキーも雲から落ち、雷などに突かれる。落ちたミッキーマウスに浦島太郎が玉手箱を開け、お爺さんにしてしまう。
最後は花咲か爺が木々に花を咲かせ、みんなは踊って勝利を祝う。
もう既にアメリカが仮想敵国となっていたので、ミッキーマウスと日本の昔話の登場人物が戦争する作りになっている。
製作年の昭和9年は真珠湾攻撃の7年前になる。
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