マックス・オルフィス監督、仏=西独映画、総天然色。
実在の踊り子、女優だったローラ・モンテスの生涯を描く。ただかなり変わった構成にしている。サーカスから始まる。団長の口上で、ローラ・モンテスの生涯を上演すると言う。ローラ自身、舞台に現れ、過去へと回想場面として遡る。映画の途中にまたサーカス場面に戻る、劇中劇の構成である。
ローラは金持ちと結婚させようとする母親から逃げ、若い男と駆け落ちする。しかし例によって男はろくでなし。別れた後、ダンサーとなる。その妖艶さで多くの資産家、有名人を虜にしたという。作曲家のリスト、ロシヤの貴族など、最後はバイエルンの国王を誑し込む。しかし楊貴妃の話に似て、王を左右する彼女に反発した民衆が革命を起こす。逃げ出す。国王と別れ一文無しとなった。かつて声をかけてくれたサーカスへ行く。そして自分の生を、存在を売り物にする。
実在の人物をモデルとしているため、実際の出来事による制約がある。波乱万丈の生涯だったが、映画としては単調さを免れない。作り話でもっと面白い映画があるから。それにしても細部は脚色しているのだから、これより面白くする工夫はあったと思う。監督の関心はそういうところになかったかもしれない。
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