2018年5月9日水曜日

美をもとめて No.255 19世紀の浪漫衣装、明治の絵画


共に国立FAで上映された「映画にみる明治の日本」企画のうち、他の作品「日本映画史 第一部」「疎水 流れに沿って-」と同時上映された比較的短篇の映画。

「美をもとめて No.255 19世紀の浪漫衣装」は、昭和55年にTBSでテレビ放送された12分の総天然色作品。これが明治企画で上映されたわけは、19世紀の西洋の婦人衣装の歴史であるものの、鹿鳴館時代に日本でも流行った衣装が出てくるから。
19世紀の前半は二の腕を膨らませる「羊の脚」スタイルが流行り、中頃になるとスカートを膨らませるクリノリンが主流になる。80年代になると、後ろを盛り上げたようなスカート、バッスルが流行る。このバッスル様式が鹿鳴館に参加した明治の婦人たちの服装であったわけである。

「明治の絵画」は昭和43年、中村麟子監督、22分の総天然色映画。文字通り、明治の絵画史である。洋画では高橋由一に始まり、初期の五姓田義松、山本芳翠ら、日本画では橋本雅邦、狩野芳崖から始まる。その他、有名な黒田精機、藤島武二、青木繁らの洋画家、下村観山、横山大観らの日本画の名が挙がる。特に映画ならではと思ったのは、絵画を映すにあたってその細部から映し出す。普通は絵画全体を観るから、細部からは観始めることはない。映画ならでは鑑賞であった。

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