ドイツの保養地を舞台にルーレット賭博にのめり込んでいく様を背景とする。語り手の青年が仕える将軍や恋人、またその伯母にあたる老婦人などのロシヤ人の他、フランス人、イギリス人、ドイツ人、ポーランド人などヨーロッパの各国の人々が出てくる。
ドストエフスキー自身の賭博好き、また発表される3年前に賭博旅行をした愛人アポリナーリヤ・スースロワとの恋愛事情が生かされている。各国人に対するドストエフスキーの評価が描かれている。
本編で最も有名なのはその成立事情であろう。悪徳出版主との約束で、早急に書く必要があった。小説出版後に結婚したアンナ・スニートキナを速記者として雇い、完成させた。ドストエフスキーを支えた名夫人アンナとの出会いの契機となった作品である。
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