2020年5月10日日曜日

大鴉 The Raven 1935

ルイ・フリードランダー監督、米、61分、白黒映画。

ポーの有名な詩が題名となっているが、主人公のベラ・ルゴシがポーに心酔しその詩を朗読するくらいが関係しているところである。むしろ短篇『陥穽と振り子』の拷問機械が出てきてこちらの方が見物。
主人公のベラ・ルゴシ演じる医者は事故に会った若い女を手術で助ける。その女に惚れこむ。父親に申し込むが歳の差、既に婚約者がいるというので相手にされない。
姦計を企む。ボリス・カーロフ演じる犯罪者に頼まれその顔を直す。しかし前より一層悪くなりカーロフは怒る。自分の言うことを聞いてくれれば治すとルゴシは言う。

あの女と父親、更に女の婚約者を招く。父親を拷問台に縛り付ける。上から刃物の着いた大きな振り子が左右に振れながら降りてくる(『陥穽と振り子』)。女と婚約者は狭い部屋に閉じ込め、両壁が迫ってくる。見かねたカーロフは父親を助け、女と婚約者を助け出し代わりにルゴシをその部屋に放り込む。

筋だけみると目茶苦茶な展開であるが、戦前の映画ならではの恐怖映画的な雰囲気は捨てがたい。

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