2020年5月30日土曜日

風船 昭和31年

川島雄三監督、日活、110分、白黒映画。

会社社長、森雅之には息子の三橋達也、娘の芦川いづみがいた。三橋は独身だがバーの女、新珠三千代を愛人にしている。かなり新珠は真剣であり、三橋はうっとうしく思うくらいである。
森の恩師の息子である男は浅薄で、愛人だった北原三枝を売りに出している。三橋と北原を会わせ、北原の世話を三橋にしてもらおうと企む。北原は結構三橋が気に入り、愛人と知っている新珠に自分たちの仲を見せつける。そのため新珠は痛く傷つく。芦川は小児麻痺で絵を描くのが好きである。父親の森に連れられ京都に行く。かつて父が下宿していた家の左幸子に案内され京都見物を楽しむ。弟も人が良く、京都が気に入る。

北原に三橋を奪われると信じた新珠は自殺を図る。一命はとりとめたものの、三橋のつれない態度で今度は本当に死んでしまう。新珠を気に入っていた芦川はひどく嘆く。
森は愛人を死なせたにもかかわらず冷たい三橋に平手打ちをくらわす。
社長を辞め、京都に行きたいと言い出す。妻は驚き同行しないと言う。三橋はもちろんだが、芦川に意向を尋ねても拒否され、森は一人で京都に移り住む。あの左の家である。盆踊りの夜、左に連れ出される。あそこを、と左に言われ、見ると芦川が盆踊りを踊っていた。

適当に付き合っている男と真剣な女の仲が生み出した悲劇を描く。

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