カレル・アントン監督によるチェコ映画。一部のみ声が入るが基本的に無声映画。
フィルムセンターの本特集で上映した『エロティコン』の女優、イタ・リナが主演。現存する仏語版の上映。
リナ演じるトンカが帰郷する。まるで遊園地にあるような汽車である。母親は再会を喜び、娘は都会で立派な職業をしていると思っている。恋人にも再会する。故郷で楽しい日々を過ごす。恋人はトンカに求婚する。するとトンカは故郷を逃げ出す。プラハに戻る。
トンカは酒場で働く商売女だったのである。人気がある。ピアノ伴奏で歌を歌う。ここの部分は発声。警察がやってくる。実は死刑囚の相手をしてくれる女をしていたのだ。尻込みする中、トンカは買って出る。死刑囚との一夜。明くる日刑を執行される。首に縄をかける場面と重なってトンカは魂を鎮める祈りをする。ここの祈りも発声。音が出るのは二個所だけである。
酒場に戻る。死刑囚の花嫁だの絞首台のトンカだの、散々仲間に罵られ、陰気になったトンカには客もよりつかなくなる。酒場を出る。偶然かの恋人に出会う。今度こそ結婚しようと故郷に連れて帰る。結婚支度も整った前夜。酒場で仲間と飲んでいる婚約者の男。行商人が来てトンカという名の女は自分も知っている。その女について話した後、似顔絵を見せる。婚約者が見るとまさしくトンカである。彼女の家に行って出てきたトンカに死刑囚の花嫁と罵る。それだけでなく村の者たちも同様に彼女を非難する。再び離郷する。
プラハで街娼をし、季節が過ぎていく。酒場。あの恋人にまた会う。騒ぎの中、トンカは逃げ出す。馬車に轢かれる。恋人が駆けつけ彼女を抱く。故郷での結婚の夢をみているトンカ。基本無声映画だがサウンド版で音楽が入る。結構にぎやかと言っていいくらい。プラハに戻り街並みが出るところではスメタナの『モルダウ』が流れる。笑ってしまった。他にベートーヴェンなど有名曲が演奏される。
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