フランチシェク・ヴラーチル監督、脚本、バランドフ撮影所作品のチェコ白黒映画。
フランス語の大きな看板の上に男がいる。日の出と共に「鳩を放せ」と怒鳴る。多くの箱から数百羽の鳩が飛び立つ。ベルギーで行われた鳩の競争なのである。一人の少女は鳩の箱を開けない。病気だからと言う。男が来て開けさせる。白い鳩は飛ぶ。
バルト海の島の海岸。男たちが並んで座っている。鳩が来るのを待っているのである。ここがゴール。あの少女もいる。何羽かの鳩が戻ってくる。
少女の白い鳩は嵐ではぐれてしまったのである。プラハの街へ来ていた。足の悪い少年は鳩を落とす。傷ついた白鳩を芸術家が少年の所へ持っていく。少年は傷を癒すべく世話をする。
一方バルト海の少女は鳩が戻ってこないので心配している。
芸術家は白い鳩の捜す広告を見る。鳩についた番号が同じである。彼は書いた鳩の絵を少女へ送る。それを見た少女に友人の少年は、鳩は戻ってくると言う。
芸術家は傷が治った鳩を放してやれと少年に言う。少年は嫌なようである。芸術家は作成した少年の彫像の、顔の部分を削り取ってしまう。
最後に少年は鳩を放す。プラハの街の上空を舞う鳩。屋上にある少年の彫像の脇も飛ぶ。少年の顔は戻っていた。
非常に会話が少ない映画。チェコ・ヌーベルバーグというものがあってその嚆矢とされる作品だそうである。
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