2017年12月17日日曜日

すべての善良なる同胞 Všichni dobří rodáci 1969



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ヴォイチェフ・ヤスニー監督、脚本によるバランドフ撮影所作品、チェコの総天然色映画。

チェコの農村を舞台に、その変遷を描き当時の社会主義の実態を暴く。映画は四季の移り変わりの中で進む。

戦後まもない頃から始まる。教会での合唱ではスターリンの賛歌の後、聖歌を歌う。腕白坊主どもは銃を使っていたずらをする。それに悩まされる村人の仲間たち。仲間のその後は様々な運命を辿る。
社会主義化の直後。裕福な地主は家や家畜を取られ、領地は集団農場にされる。仲間たちは酒場で浮かれ飲んでいる。同席していた占い師に手相を見てもらうと碌な運命ではなさそう。

未亡人と結婚する予定だった郵便屋はその直前、射殺される。関係ない人々を警察はひっぱっていく。オルガン奏者は命を狙われているとして村を去る。自分の足に酸をかけ、その傷が元で死んだのは犯罪者であった。
共産党がやってきて集会でアジ演説をぶつが誰も共感しない。共産党は指導的な男を逮捕し、脅しで集団農場への参加を強制する。指導的な男はその後、どうしようもなくなった集団農場の改善をやらされる。

何年も後、オルガン奏者が帰郷する。指導的な男は死んだと聞かされる。まともな者が死んで碌でもない者がのさばると。自転車に乗って去る。

よくもこれだけ社会主義を批判できたものだと思ったら、案の定、上映禁止となり監督は国外逃亡したとか。この映画制作の頃は、まだ日本では社会主義が理想と思われていた時期である。当時この映画を観たら考えが変わったろうか。いやそう思わない。信念と現実の違いを見せられても人が取るのは信念だから。

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