2017年12月25日月曜日

フレッチャー『ダイヤモンド事件』南洋一郎文、ポプラ社 昭和38年



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世界名作探偵文庫の一冊。
骨董屋にある黒い小箱を水夫あがりの男が見つける。仲間のインド人も捜しているようだ。その古物商を殺して小箱を手に入れる。この箱の中にダイヤの首飾りが入っていたからだ。
このダイヤを手に入れた者が次々と殺されていく、という話である。

水夫はインド人を殺す。脱走した囚人に出くわす。彼も元は仲間で、自分の物と思っているダイヤを取り戻すため水夫を殺す。追手の看守たちに囚人は銃殺される。しかしその看守のうち二人がダイヤを発見する。奪い合いで相手を殺した看守は逃げ出す。知り合いに毒殺される。死体を溶鉱炉へ投げ入れ処分しようとしたが、自らも誤って落ちる。

彼の遺産を相続した女はダイヤを発見する。弁護士に相談している際、その不良青年の息子が立ち聞き、盗もうとする。仲間と相談し、女の後を追う。ダブリンに行く。悪党の二人は牧師に化け、女に親切そうに近づく。ホテルに滞在中薬を飲ませ、ダイヤを盗む。しかも悪党の一人が持ち逃げし、不良青年の方は捕まる。警察の指示で不良青年は悪党を捜す。しかし悪党とつるむ酒場の亭主により青年は捕まる。悪党により銃殺される。しかしその悪党も亭主の企みで地下室に閉じ込められる。悪党が餓死してから亭主はダイヤを盗み、田舎へ移る。

そこで善良な市民となって人々から尊敬されるまでになる。何年か後刑事がやって来る。もはやこれまでと思った彼は告白し、残りのダイヤを返して自死する。
ようやくあの相続した女に戻ったと思われた。しかし警察は真の持ち主がいると言う。それはインドから戻った子爵で女と相愛の仲である。子爵はダイヤを自分の妻に渡す、と結婚申し込みをかねて言う。刑事は呪われたダイヤなど自分なら海へ投げ捨てる、と言うが子爵は悪党だから死んだのだと答える。

呪いで持ち主が次々と死んでいくといった話はよくある。しかしこれだけ多数の者が殺されるのは多くないだろう。

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