フランチシェク・ヴラーチル監督、脚本によるバランドフ撮影所作品、チェコ総天然色映画。戦後のチェコの一将校と元ナチス高官娘との関係を描く。
第二次世界大戦直後。チェコの田舎を走る列車は止められ、乗客は降りるよう言われる。その中で若い男は返事もろくにしない。兵士たちと喧嘩になり負傷する。
警察に連れていかれる。警部の質問に英空軍で働いていた中尉と答える。初めは信用しなかった警部は上層から電話があり謝る。
中尉は元ナチス高官の邸宅の管理に行く。そこで床掃除などしている若い女に会う。彼女はかつてこの家に住んでいた高官の娘アデルハイトであり、敗戦後は女中のような仕事をさせられていたのだ。
互いに言葉は通じない。中尉は女をできるだけ親切にしてやろうとする。女の父である元ナチス高官は刑務所に入れられている。女は通いだったが中尉のいいつけで家に泊まり込む。
彼は本棚の後ろから高級酒を発見し自分が飲めないので警部にやる。
彼女の兄は戦死していると聞いていたが、生きていてこちらに向かっているらしい。ある夜中尉はその家に兄が来ているのを見つけ二人は格闘になる。アデルハイトは兄と逃亡するつもりだったが、二人の格闘を見つける。中尉を殺そうとする兄、中尉の二人を打擲する。
数日後アデルハイトに通訳を通じて訊く中尉。中尉は女に悪い証言はしない、彼には彼女しかいないなどと言う。その後連行される女は隙を見つけ部屋に閉じこもり縊死を遂げる。
この映画ではチェコの中尉は極めて善意の人として描かれる。
戦後のドイツに対する元占領国の復讐はすさまじく、特に多くのドイツ女性がひどい目に会わされたという。戦勝国として優位の立場からの映画である。
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