2025年3月3日月曜日

平野啓一郎『本の読み方』PHP文庫 2019

小説家の平野啓一郎が2006年に出した書の文庫化。副題に「スロー・リーディングの実践」とあるように速読ではなく、ゆっくり読めと説く。熟読、精読と言い換えてもいいと言う。つまり量でなく質の読書にすべき。現在多くの本を読めるようになったが、昔に比べ知的になっているのだろうか。魅力的な誤読はするべきである。

第2部では具体的な本を取り上げ、その読み方を説明する。取り上げている本は『こころ』『高瀬舟』『橋(カフカ)』『金閣寺』『伊豆の踊子』『蛇にピアス』『葬送』『性の歴史 Ⅰ 知への意志(フーコー)』である。これらの書でその読み方を例示する。

また書き手として小説の執筆についても書いてある。一日4、5枚書ければよく書いたと思えると。他の作家も同様らしい。それに休憩をとる。30分程度書いたら、3~5分は休むそうだ。これの繰り返しで10時間以上机に向かっていられると。執筆はマラソンでなく、短距離ダッシュの繰り返しとある。

0 件のコメント:

コメントを投稿