かつての学生運動を指導し、また大きな影響を社会に及ぼした全学連と全共闘の解説を意図して書いているようである。かつての学生指導者を務めた人たちにインタヴューをし、当時の想いなども書かれている。だから本書は当時の学生運動を担った者の視点で記述されている。
しかしながら安保騒動から半世紀経ち、終戦から65年も経った時点での総括であれば、もう少し歴史の中での、その位置づけをする書き方がありえたし、そういった記述を希望した。当時の学生たちはなぜ学生運動をしたのか。その答えは本書の中にある。学生らの国会構内乱入のニュースを聞いて、九州のある学生運動家は次のように思ったという。「ヤッターッていう感じだったね。どうしてかと聞かれても困るけど、やっぱり騒乱状態というのが夢ですからね、(以下略)」(本書p.88)これが本書中、最も感心した文章である。ともかく騒ぎたかったのである。青春でエネルギーを持て余しその捌け口にしたのである。
もちろんその目的は革命にあった。運よく革命は成就しなかった。日本史上、最大の僥倖は日本で革命が生じなかった、という事実である。もし日本が共産主義国家になっていたら今の北朝鮮のように最低、最悪の国家になっただろうから。
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