昭和48年東京生まれの著者が平成26年に公表した随筆集。女子であることの実際と心情を綴る。
書名の言わんとするところは分かるが、女というものはいつまで経っても女子の心を持っているのではいか。それが女たるもののうち良い部分の源泉ではないか。これが無くなったら、あの図々しさだけの小母さんになってしまう。女の視点で色々述べていて面白い。
ただこの中で自分が東京生まれなので、田舎から上京してきた東京の住民の大部分を占める層への愚痴のようなものがある。そして自分が東京生まれ、育ちであることの自慢をどうしても言いたくなる。東京生まれの田舎者への蔑視は例えば映画監督の鈴木清順は田舎者は東京から出て行ってもらいたいと言っていた。評論家の清水幾太郎は田舎者は嫌いだと明言し、馬鹿にする文を良く書いていた。同じく谷崎潤一郎も田舎者を嫌っていた(東京と関西しか認めていなかった)。東京生まれでも、徳川家康の江戸開府以前から住んでいる家は稀だろう。いつ来たかだけの違いではないか。マイケル・チミノ監督の『天国の門』を見直してほしい。
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