2024年9月20日金曜日

三浦しをん『お友だちからお願いします』だいわ文庫 2018

作家の三浦しをんによる随筆集。自分自身について素直(に見える)に書いている。女だから体重が増えるとかを気にしている。

また母親について極めて率直な意見が書いてある。他人に腹が立つと内心で死ねとか殺すとか思うのは誰でもそうだろう。この著者は母に対して、頼むから死んでくれと内心百万回は思ったそうである。(「理不尽の権化」の章)母親と娘の仲は友達のような仲が良い例もあれば、犬猿の仲も珍しくない。著者は後者の例である。女同士で一番身近で離れられない、上辺を飾って接するわけにもいかない。そんな母と娘は凄まじい仲になる場合がある。この著者は母殺しで自分の人生を台無しにするわけにいかない、それで殺さなかったと書いてある。同様の思いを持っている人はいるだろうが、活字にできたものである。これら以外にも周りの事柄について著者の見方が聞ける。面白い本である。

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