作家、随筆家の三浦しをんによる随筆集。元は平成20年の出版。
本書を読んで著者が大変な漫画好きと分かった。著者は昭和51年生まれである。大昔は漫画は子供のために書かれた。いや正確に言うと子供のために書かれた漫画は読み手が成長するにつれ卒業し、大人になれば読まなくなった。それがいつ頃か、自分の理解では団塊の世代が大人になっても漫画を卒業せず、子供の漫画と大人のそれの区別がなくなった。著者の時代になると生涯漫画を読み続けて当然の世になっていたのだろう。この本を読むと、著者が漫画狂と言っていいほど漫画好きと分かる。
それと後、この本を読んで気が付いた、これ以前読んでいるのではないかと。本書中「悪霊に取り憑かれる」の章にあるオダギリジョーの服装についてである。出ている映画で『メゾン・ド・ヒミコ』中、オダギリジョーがシャツの裾をズボンの中に入れている。それを見た女たちが「シャツがイン!」と言って騒ぐのである。普通は入れると恰好が悪くなるので裾を出している場合が多い。それがオダギリジョーに関しては入れても様になっている、と感心しているのである。実はここの部分を読んで、これは前に読んだと思い出した。本書の他の部分は呼んでも以前読んだ記憶がない。それがここに関しては鮮やかに思い出された。映画でも一場面だけよく覚えている事があるが、本でも同様だと感じた次第である。
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