書名にある「非社交的社交性」とはカントの言葉である。(p.21)
人間は他人といると不愉快だが、全く一人で生きていくわけにもいかない。カントは自分の時間を取られるのが嫌だった。それでも自分の家を持ってから午餐に数人の客を毎日招待したそうだ。全く自分の仕事とは関係ない者たちばかりで、時間が来るとさっさと食事を止め客を帰し、自分の時間を取り戻したそうだ。こうして全くの人間嫌いにも孤立した生活でもない毎日を送ったという。
本書の第二部は著者が主宰する哲学塾に参加している者のうち、普通の言葉で言えば非常識極まりない若者の生態について述べてある。一体どうしたらこんな人間ができるのか。生い立ちを聞いてみたい気がする。幸い自分はこの歳になるまで、こんな人間と付き合うというか会ったこともなくこれた。
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