この本の紹介として次のような文がある。「文化人類学とは、社会・文化・経済・宗教をはじめ諸分野にわたって、またそれぞれに異なる世界の民族を比較検証する広範な研究対象を視野に収めた学問である。その方法論として、フィールド・ワークによる具体的でしかも忍耐強い実証的な調査が重視される。」
文化には、文化住宅など高級な、といった意味で使われる場合があるが、ここでの文化はcultureの訳語である。またフィールド・ワークとは現地調査、実地調査という意味で、そこの場所に行き、ある程度の期間を要して関心の対象を調べる。本書では文化人類学とは何かを述べた後、対象の文化の歴史や伝播を、更に経済や生活の技術、言語、婚姻や家族、宗教や儀礼、文化・心理・民族性、またその変化がもたらすもの、残された問題について述べてある。文化人類学と言えばいわゆる未開地、諸国に行きそこの生活、風俗を調べるフィールド・ワーク)の印象が強い。
本書を読んで、文化人類学とは歴史の一部かと思った。過去の今ではすたれた習慣、そこが残っている未開地に行きどういうものかを調べる。かつては世界各国で多様性に富んだ生活が営まれていた。しかし今ではほとんど廃れた。欧米先進諸国による野蛮な文化の廃絶、また最近ではグローバル化という全世界の金太郎飴化が凄まじい勢いで進んでいる。各国各地の違いなどほとんど無くなっている。だからそれを過去の違いを調べようとする学問かと思った。
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