著者は医者で高齢者医療が専門である。現代のように超高齢社会になり、つまり老人が人口のかなりの部分を占めるようになってくると高齢者向けの論が当然盛んになってくる。
何しろ高齢者は若い者のように体がきかず多くの疾患を抱えているのが普通で、まもなく死に至る。高齢者を対象とした本などではいかに若く身体を保つかの方法、そのために気も若くならなければいけないと説いている。それはもっともな点がある。しかし早晩体が言うことをきかなくなり、死んでいくのは避けられない。だから老いや死を否定して見ないようにしていくのでなく、それを受け入れることを説いている本である。むしろその方が本人にとっても良望ましい、高年齢の過ごし方ではないか。
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